B型肝炎 の症状
B型肝炎 の症状・原因・給付金

b型肝炎ウイルスに感染したらどんな症状が出るの?

病院1

肝臓に炎症が起きている状態のことを、肝炎と言います。肝炎を引き起こしてしまう原因はさまざまです。例えば、飲酒量が多い人はアルコール性肝炎になりやすく、薬剤や化学物質などが原因の薬剤耐性肝炎といったものもあります。

日本人に最も多いと言われているのはウイルス性肝炎で、現在はa・b・c・d・eという5種類のウイルス性肝炎があることが分かっています。

急性と慢性における症状の違い

肝炎には大きく分けて、急性と慢性があります。急性肝炎とは、一定の潜伏期間はありますが、全身の疲れ・食欲不振・吐き気・黄疸といった症状が急激に現れるという特徴があります。まれではありますが、脳症など深刻な症状を引き起こして死に至ることもあります。

しかし、多くは1~3か月程度で自然治癒するため、あまり心配することはありません。一方、慢性肝炎は軽い症状が長期間続くのが特徴で、自覚症状がないまま病気が進行していきます。肝炎にかかっていることに気づかないで放置しておくと、やがて肝硬変や肝がんといったリスクが高まっていくのです。

急性肝炎はa・b・e型ウイルスによるものが多く、慢性肝炎はb・c型ウイルスによるものが多くなっています。特にb型肝炎ウイルスは、母子感染や性交渉、ピアスの穴あけやタトゥーといったことでも感染することがあり、問題は深刻です。

b型肝炎の主な感染経路

b型肝炎ウイルスの感染者は、日本国内に110万人以上いると考えられています。感染者の多くは、母子感染対策が取られる前に、出産によって感染した人たちです。母親がb型肝炎ウイルス保持者であると、出産で赤ちゃんが産道を通る時に、血液を介して感染してしまうことがあるのです。

赤ちゃんのときにb型肝炎に感染すると、長い間ほとんど自覚症状がない無症候性キャリアとして過ごすこととなります。思春期から30代くらいになり、免疫機能が発達することになってようやく症状が出始めることとなるのです。

ただ肝炎を発症したからと言って、すべて重症化するわけではありません。一部の人が慢性肝炎となり、肝硬変や肝がんに進行することもあります。かつては輸血や注射器の使い回しなどによって、b型肝炎ウイルスに感染することもありました。

近年はこういった医療での感染は減少していますが、代わりにピアスの穴あけやタトゥーを入れる針によって感染することが増えています。

そして一番問題となっているのが性交渉です。b型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染するので、パートナーがウイルス保持者であった場合には性交渉で感染する可能性があります。成人を過ぎてからb型肝炎ウイルスに感染した場合、多くの人は自然治癒しますが、中には急性肝炎になる人もいます。

一般的には慢性肝炎になることは少ないとされていますが、一部のウイルスは慢性肝炎になる確率が高いため注意が必要です。

赤ちゃんが万が一感染してしまったら?

母子感染によって赤ちゃんが感染してしまった場合でも、治療することは可能です。生後2~3か月後にb型肝炎ワクチンの初回を接種します。合計3回のワクチン接種が必要ですが、2回目以降は医師と相談して進めるといいでしょう。

3回接種することで、将来肝炎の発症を防ぐことが出来ます。2016年10月以降からは、0歳児の赤ちゃんに対してb型肝炎ワクチンが定期接種となりました。参照>アディーレ法律事務所 > B型肝炎訴訟

それ以前に生まれた人は実費となってしまいますが、将来の感染予防ともなるために接種した方がいいと言われています。

→集団予防接種などでb型肝炎に感染した患者を救済する給付金制度とは

慢性肝炎はどうして自覚症状がないのか

急性肝炎の場合は、誰にでもすぐにわかる症状が起きるのに、慢性肝炎となった場合はどうして自覚症状が起きにくいのでしょうか。これは肝臓自体の特殊性に理由があります。肝臓は、カバー率が非常に高いのです。b型肝炎ウイルスに感染して、徐々に肝細胞が炎症で破壊されても、肝臓は残りの部分で肝臓本来の働きを持続させることが出来ます。

なんと肝臓全体の7分の6が破壊されてしまっても、残りの7分の1で従来と同じ機能を果たしてしまうのです。

そのために、自分では肝臓の状態が悪いという事に気づきにくく、気づいた時にはかなり進行してしまっているという事が少なくありません。カバー力が高い肝臓ですから、慢性肝炎となっていても、早期に治療する必要はないのではと思う人もいるでしょう。

しかし肝臓というのはカバー力だけでなく、自己再生能力も高い臓器です。

例えば、あまり肝炎の症状が進行していない状態であれば、肝臓の4分の3を切り取っても、4か月もたてば元通りの大きさに戻ると言われています。ところが、長期間肝炎の炎症が続いていると、こうした自己再生能力が思うように発揮されません。

いくら破壊された肝臓部分を切除しても、元の大きさに再生することはなくなってしまうのです。ですから、慢性肝炎の治療はなるべく早く始めた方がいいと言われているのです。

b型肝炎ウイルスに感染しているかどうか調べる方法は?

たとえ自覚症状がなくても、血液検査によってb型肝炎ウイルスに感染しているかどうか調べることは可能です。

もし過去に感染していて、自然治癒によって完治していても感染歴が分かり、現在感染している場合は、ウイルスの量や活動状況などを調べることができます。血液検査では肝機能を調べることも出来ます。血液中のALT・AST・血小板数・アルブミンといった数値を測定し、肝臓の働きに異常がないか調べるのです。

慢性のb型肝炎かどうかは、ウイルス検査と肝機能検査両方の値をみて診断されることとなります。ウイルス検査が陽性で、なおかつALT値の異常が6ヵ月以上続いている場合は慢性のb型肝炎と診断されるのです。もしウイルス検査が陽性でも、ALTの値が継続的に正常と診断された場合は、無症候性のキャリアとなり、定期的にウイルスの状態を確認する検査を受けることとなります。

b型肝炎の治療法はいくつかの方法があります。例えば、原因療法と言われるものは、肝臓からb型肝炎ウイルスを死滅させることを目的とする治療法です。抗ウイルス薬が使用されることとなります。対症療法は、b型肝炎ウイルスに直接的な作用をもたらすことは出来ませんが、炎症を抑えることで肝硬変への進行を遅らせるという治療法です。

肝炎の進行具合によって治療法は変わってくるので、なるべく早く検査を受けて医師と治療法を相談していくことが大切なのです。

→知っているようで知らないb型肝炎の原因!これは感染の原因になる?ケース別解説

Posted on 2018-09-04

    コラム

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